スパ ー クリング 日本酒 、 熟成酒 ...... 特別 な 日本酒 について

スパ ー クリング 日本酒 、 熟成酒 ...... 特別 な 日本酒 について


▲左から7年熟成、12年熟成、21年熟成の日本酒

 原料に日本産米を用い、日本国内で醸造したアルコール22度未満のもののみを「日本酒(清酒)」と呼びます。そのなかでも、スパークリング日本酒、熟成古酒、貴醸酒、金粉入りの日本酒、古代米の日本酒など少し風変わりな日本酒もあります。ひとつずつ紹介しましょう。

 

スパークリング日本酒



シュワシュワした発泡性の日本酒のことをいいます。日本では炭酸を含んだお酒で(主にビール)乾杯することが多いため、乾杯のためにつくられた日本酒という意味もあります。またのど越しも良く、爽やかな飲み口が心地よいため、新しい愛飲家を増やすための入り口としても期待されています。料理とも合わせやすいのが特長です。瓶内二次発酵の自然な炭酸ガスのものと、後からガスを充てんするタイプの2種類があります。

 

 1940年以前より製造されていたらしいのですが、一般的になったのは1990年以降のこと。なかでも一ノ蔵(宮城県)が1998年に発売した「すず音」は、日本全国で一躍人気になりました。「獺祭スパークリング」も1993年に誕生したそうです。2011年には松竹梅「澪」が誕生し、今ではコンビニエンスストアにも置かれる身近な存在になりました。

 

AWA酒



 

スパークリング日本酒のひとつのジャンルとして、2016年には一般社団法人awa 酒協会が設立されました。発起人は「水芭蕉」醸造元・ 永井酒造(群馬県)。現在30蔵が加盟済み。本協会は、厳格な品質基準と第三者機関での検査をクリアした銘柄だけを「AWA SAKE」と認定しています。

稲作と共に伝承されてきた日本の宝・日本酒。それなのに1973年を境に国内では需要が減少。現在では当時の4分の1ほどに落ち込んでいます。品質は向上し、原価は上昇の一途をたどっているのに、価格を上げられない状況が長年続いてきました。現状を打開すべく「本物」を追求し、技術を継続的に向上させ、世界に打って出ることで、日本酒の価値を再定義しようとしているのがawa酒協会です。基準を設けることで、品質向上が期待でき、認定された「AWA SAKE」なら安心、というイメージから普及促進、市場の拡大が期待されます。『世界で通用する乾杯酒』が彼らの目標であるため、世界中で活躍するソムリエの田崎眞也氏、フランスソムリエ界の若き重鎮・グザビエ・チュイザ氏、トップソムリエのフィリップ・ジャメス氏をAWA SAKE大使として迎えています。近年ではInternational Wine Challenge Sake部門、Kura master、フェミナリーズなど海外の鑑評会でも、AWA SAKEは高く評価されています。

 

熟成古酒


日本酒に賞味期限はありません。ただしメイラード反応が進み、味わいと色が変化します。酒蔵が製造する熟成酒としては、1年、3年、5年といったものから10年、40年以上など熟成させたものなど幅広く存在しています。年数に厳密な決まりはありません。40年経過した日本酒は飴色になり、味わいもカラメルや黒糖のようになることが多いです。

「古酒」「熟成古酒」「熟成酒」「長期熟成酒」など呼び方もまちまちです。また吟醸酒、純米酒、本醸造酒などの「特定名称酒」ではないため、ラベルへの表示義務はありません。酒蔵ではなく、酒販店が独自に熟成させて販売しているものも存在します。

 

長期熟成酒研究会では、熟成古酒とは、酒蔵で3年以上熟成させた清酒のことを指します。長期熟成酒研究会とは、熟成古酒の製造に関する技術交流と市場の開発を目的とした、酒造会社による任意団体で、昭和60年(1985年)に設立されました。

 

貴醸酒

貴醸酒(きじょうしゅ)とは、三段仕込みの最後「留仕込み(とめじこみ)」において、仕込み水の代わりに清酒を入れて仕込んだ、日本酒のことです。通常の日本酒に比べてかなり糖度が高く、とろりと上品な甘さがするお酒です。貴醸酒は、1973年に迎賓館など、海外のお客さまを招き乾杯するための高級日本酒として開発されました。作り方などは違いますが、味わいや高級感などは貴腐ワインと並べて語られることが多いです。そのため食後酒として親しまれています。日本人でも「貴醸酒」の存在を知っている人はあまり多くありません。

 

古代米の日本



日本酒は、酒米や一般的な食用米(コシヒカリなど)からつくられることがほとんどですが、赤米や黒米などの古代米からつくられる日本酒もあります。特に京都府にある向井酒造の「伊根満開(いねまんかい)」が有名で、海外への輸出もおこなっています。通常より旨味や苦みなどが多く、ユニークな味わいが特徴です。酒の色も、米の色素由来で赤色や赤褐色になります。

 

金箔入りの日本酒

 

今回紹介する他の酒と違い、醸造方法や貯蔵方法によるものではなく、飲み方のひとつのスタイルです。正月や祝いの席などおめでたいことがあった時に、飲まれる日本酒です。通常の日本酒に金箔が入っているだけですが、透明な液体に沈む輝く金箔は美しく、大勢でお酒を飲む際に重宝されます。酒蔵がボトリングのときに金箔を入れて販売する場合と、何も入っていない日本酒に別で購入してきた金箔をあとから入れる場合があります。若者よりは、高齢者に好まれています。

 まとめ

ワインがそうであるように、日本酒もさまざまなものがあります。タイプを把握して、通常の日本酒との違いを理解しないと、同じように並べて比べることはできません。同じ「日本酒」として飲んでしまうと、きっと驚いてしまうでしょう。ラベルをよく読み、タイプ別の楽しみ方をしてみてください。


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