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Noren Sake
Noren Sake

シリコンバレー
日系飲食店オーナーの期待

Noren Sake
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LA SUSHI Bar オーナー

アメリカに20年住んでいるが日本酒のポテンシャルの高さと流通がマッチしていない葛藤をいつも抱えていた。期待している

Noren Sake
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Japanese Restaurant

有名どころになって初めてシリコンバレーの日系の飲食シーンに並ぶようになる。そうではなく、様々なバラエティーこそが魅力であり、輸入開始が待ち遠しいです

Noren Sake
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Tokyo Ramen オーナー

アメリカではナパのワインなど缶で売られていることがある種当たり前となっております。日本酒を缶で売ろうともそこまでネガティブな印象はないはず。応援してます!

全国の酒蔵数や発展した理由、現在の取り組みについて

全国の酒蔵数や発展した理由、現在の取り組みについて

日本は小さな国ですが、南北に広く、山や海に隔てられているため、地域ごとに独自の文化を持っています。異なる食文化を持つため、それぞれの地域の料理と一緒に飲まれる日本酒も、その地域に住む人たちの味覚が反映されています。日本酒は日本国内でも地域ごとに発展を遂げてきました。 都道府県ごとの酒蔵の数 日本には約1700軒の酒蔵があります(2020年のデータ)。この数は酒造免許を持っているこの数で、このデータのなかには、免許はありながら日本酒を作っていない蔵や、数年に一回造る蔵など市場に出ないもの、または食品会社や大学などでアルコールが生じる試験醸造用の免許も含みます。 都道府県ごと酒蔵数  47都道府県中 上位10位 新潟県 98軒 兵庫県 91軒 長野県 85軒 福岡県 69軒 福島県 66軒 広島県 58軒 山形県 55軒 岐阜県 54軒 愛知県 52軒 京都府 52軒 ※2020年データ 一位 新潟県一位の「新潟県」は、かつて広大な低湿地が広がっていて稲作にとって劣悪な環境でした。150年以上前に移住した人たちの多大な努力によって、土地の改良と稲の苗の開発が進められ、日本一の米どころへと発展。冬は雪が深く積もるため、多くの美しい雪解け水が生まれ、稲作に必要な豊富な水資源があります。朝晩の寒暖差も大きいため、良い米が育つ場所です。それに伴い、日本酒づくりも盛んになりました。 二位 兵庫県 二位の「兵庫県」は、「灘エリア」という内海(瀬戸内海)側のエリアがもっとも有名な酒造りの場所です。すぐ裏手に急な山があり、目の前には海があります。ここを流れる川の急流を利用して、150年以上前に水車式の精米機が発達したことで、おいしい日本酒を大量に造ることに成功した地域です。また目の前の海から船を出して、当時の都であり大消費地である「江戸」に酒を運びやすかったのも酒蔵が増えた理由です。 三位 長野県 三位の「長野県」は、日本の内陸に位置し、3000m以上の山脈があり、2000m以上の山があちこちにあります。そのため流通が容易ではなく、地域ごとで飲むための日本酒をつくる酒蔵が誕生しました。1800年代には、長野県だけで1000を超える酒蔵あったらしい。   都道府県ごと酒蔵数  47都道府県中 下位3位 沖 縄県 4軒 宮 崎県 2軒 鹿児島県 2軒 ※2020年データ 沖縄県は、琉球王国時代に東南アジアから伝わってきた伝わってきた酒造り文化が発達していて、今でも「泡盛(あわもり)」が盛んです。宮崎県と鹿児島県は、焼酎が多く造られているため、日本酒醸造所の数は少ないです。 独自の酵母・酒米の開発など。県単位の進化 日本酒はかつて再現性が低く、賭けのような側面がありました。そこで「醸造に関する科学、技術の研究とその振興を図り、もって醸造業の進歩発展に資すること」を目的として1906年に、公益財団法人日本醸造協会が設立されました。さまざまな蔵で発見された特に優秀な酵母は、日本醸造協会によって維持管理され、酒蔵に販売しています。 さらに現在では都道府県ごとに「醸造試験センター」「食品工業技術センター」などが設置され、日本酒専用の酒米の開発や、酵母の研究、日本酒造技術の向上をはかる取り組みがおこなわれています。 毎年おこなわれる「全国新酒鑑評会」は、日本酒の順位づけではなく、ブラインドテイスティングによってより優秀であると認められた日本酒に「金賞」が与えられます。1つずつの酒蔵が鍛錬を重ねるのはもちろんのこと、都道府県ごとに、より多くの酒蔵が金賞を受賞するように酒蔵をあらゆる面でサポートしています。酵母や米の詳しい情報については、今度お伝えします! まとめ 日本中、または世界中の人々が日本酒を飲むようになって、酒蔵で働く人たちの市場に対する視野も広がり、酒蔵ごとのオリジナリティある日本酒が増えています。 しかし今でも酒蔵の周りの人たちが一番の得意先、ということも多く、各地のルーツが深く反映されています。 日本では、寒い地方では、塩漬けなど保存食をつくるため、味が濃い食べ物が多く食べられるため、そこに住む人の味覚も塩っ気のあるものを求めるようになります。そうすると食べ物と一緒にテーブルに並ぶ地元の日本酒は、旨味がたっぷりあって、甘みもある濃い日本酒になる傾向があります。反対に海沿いの日本酒は、新鮮な刺身などと合わせるので、ドライでスッキリとした味わいが多いようです。単純な地理だけでなく、昔その地を治めた武将の出身地(彼が好きな味)や、特産品の味わいにも日本酒は影響を受けています。 気に入った日本酒がもしあれば、その地域の成り立ちを深く知ってみてください。その日本酒を理解することで、よりおいしく感じるでしょう。

150年以上前から続く酒蔵の内情と、現在の様子

150年以上前から続く酒蔵の内情と、現在の様子

日本全国に小さな酒蔵が1300軒以上 2025年2月現在、日本には1,100軒を超える酒蔵があります。そのうち資本金3億円以上で従業員300人以上の企業はたった6社のみ。ほとんどが小さな会社です。そして多くの酒蔵が、創業から100年を超える、とても長い歴史を持ちます。創業家の長男が代々会社を継承してきたケースが多く、現在でもそのスタイルは変わりません。父が社長、母が経理、息子が専務、その嫁が常務…というような形を採っている酒蔵も多いです。 酒蔵の人たちの呼び名 日本酒をつくる組織(会社経営の場合も個人経営の場合もある)のことを「酒蔵」といい、オーナーを「蔵元」と呼びます。オーナーから一任される形で、独立して製造部門が存在します。日本酒づくりはチームでおこないます。リーダーとなる製造責任者のことを「杜氏」と呼びます。その部下にあたる製造者たちのことを総称して「蔵人」といいます。杜氏は、蔵元の意向を汲みながら年間の製造計画を立てたり、必要となる米の数量を計算したり、製造管理をおこなうだけでなく、蔵人たちの統率をとる絶対的な存在です。  江戸時代(1600〜1868年)~近代の酒蔵のスタイル 杜氏や蔵人らは、春夏は農家や漁師をしている人がほとんど。冬場に雪が降るなどして働けない期間(だいたい11月~3月頃まで)の出稼ぎ労働として酒蔵が用意した住居に共同で住み、働くことがほとんどでした。そこで風紀を保つため、女性禁制になりました。杜氏が地元地域で声を掛け、酒蔵の規模(製造量)に合わせ必要な蔵人を連れてグループを作り、全員が妻子と離れて、みんなで遠く離れた酒蔵に働きに出向くシステムでした。彼らは祖父、父、子…と代々杜氏や、代々蔵人、という家系も多くありました。 酒蔵の経営は、杜氏が指揮してつくる日本酒の良し悪しに大きく左右されるため、蔵元の年間の収入を超える多額の半年分の報酬を渡して、腕利きの杜氏を呼び寄せることもありました。明確な契約書は交わさないため、お互いに来年の保障はありません。実力主義社会で、信頼とコミュニケーションをもとに約束を交わしていました。そのため杜氏側も技術力を上げるため、杜氏組合に所属して、組合内で技術力を高めるため勉強会や情報交換がおこなわれていました。技術は公に開示されず、杜氏がたやすく人に伝えず、秘密にしていました。しかし高齢や健康問題を理由に杜氏が突然辞めなければならなくなるリスクもあるため、杜氏の下には「頭(かしら)」と呼ばれるNO.2が、技術を見て覚えていました。  冬期間毎日寝食をともにしていたので、お互いの人柄がよくわかります。高い醸造技術を持ち、チームみんなの力を発揮できる杜氏は、人格的にも優れていることが多く、厳しいけれど尊敬され、「いつか彼のようになりたい」と蔵人から憧れられていました。酒造りは暑い環境が大敵のため、寒い時間帯におこなうのが良いとされています。そのため、早朝から作業をスタートします。朝早い酒蔵は、2時や3時など日の出前から夕方4時ころまでの就労(かつては夜11時から仕事スタートという酒蔵も!)。一晩中、数時間おきにしなければならない作業もあるため、交代制で仮眠を取りながら、作業にあたりました。  現代の酒蔵のスタイル 農家や漁師に専業する人が減った現代は、杜氏組合に所属する人たちが高齢化しています。また近年では、長時間労働は良くないとされており、酒蔵もそれは同様です。そのため経営と製造の両方を蔵元が担う「蔵元杜氏(くらもととうじ)」が増えました。蔵人も、正社員として年間を通じて酒蔵で働くのが一般的になってきました。彼らは酒蔵以外の一般的な会社同様、近隣にある自宅から毎日通います。   「辛い仕事」というイメージのままでは、若い人たちを新規雇用することが困難になります。だから夜中の仕事をなくすため、人間の代わりに麹づくりの仕事をしてくれる機械(自動製麹機)が研究され、発達しました。今では手作業と同様か、それ以上の品質の物が作れる、という実績から、多くの酒蔵が導入しています(それぞれの酒蔵の考え方による)。そのため朝8時から夕方5時までで仕事が終わる、という酒蔵も増えています。もちろん江戸時代から続くスタイルを続けている酒蔵は、今も多く存在します。 まとめ 現在では酒造業界外の会社や人が、廃業を検討している酒蔵を買収して、酒造をスタートするケースも増えています。異業種の文化が持ち込まれ、酒造りのシーンも変化してきている途中です。150年以上伝統を大切にして、変化がなかった酒造業界ですが、「発酵学」によって微生物のメカニズムが解明されてきたことや機械の進歩によって、今変わろうとしています。

日本酒のつくり方(製造工程)について

日本酒のつくり方(製造工程)について

世界で最も複雑な製造工程を辿る神秘の酒・日本酒 日本の主食である米と水だけを使ってつくったお酒「日本酒」は、世界で最も複雑な製造工程を辿る酒、ともいわれ、他に例を見ない「並行複発酵」という造り方をします。アルコール発酵をするためには、糖分を必要とします。果実は放置しておけば、空気中の酵母が付着してアルコール発酵しますが、日本酒の原料である米には糖ではなくデンプンの形で含まれているので、一度糖化してから、アルコール発酵をしなければなりません。この2つの工程が同じ液中(タンクの中)でおこなわれるのは、世界中で「日本酒」だけです。そんな複雑な製造工程をいきなり深く知るのは難しいので、工程の様子を写真とあわせて大まかに見ていきましょう!    日本酒づくりの工程 「どんな日本酒をつくるか」「どんな伝統や文化を残すか」という考え方の違いから、使用する道具や機械も違います。日本酒づくりの工程は、酒蔵によって少しずつ違う部分もありますが、大まかにはこのとおり。一例として見てください。 精米 洗米/浸漬(しんせき) 蒸米/放冷 麹(こうじ)造り 酒母造り もろみ(仕込み) 上槽(じょうそう) 濾過(ろか) 火入れ  貯蔵 火入れ/瓶詰め 精米 玄米を、精米する工程です。米の磨き具合によって、味わいが変わります。あまり磨かなければ、日本酒の味わいに複雑さや雑味が出ます。たくさん磨けば、綺麗で軽快な味わいのお酒になりやすいのですが、より大量の米を使用することになり、原価も多くかかってきます。それに家で毎日食事と合わせて飲む気軽なお酒は、安価で味わいが複雑な方が嬉しかったりするので、一概に磨けば美味しい、というものでもありません。ほとんどの酒蔵は30%精米、50%精米、60%精米、70%精米・・・などさまざまなバリエーションのお酒をつくっています。   精米するとき、摩擦熱で米が割れやすくなります。この後の製麹の工程のために、できるだけ時間をかけ、丁寧に割ることなく精米するのが大切です。精米機は非常に高価で、大きさも大きく、置く場所を必要とするため、自社で保有するのではなく、地域で共同精米所をつくったり、外部の精米メーカーに委託することがほとんど。多くの酒蔵が外部委託している唯一の作業が「精米」です。   洗米/浸漬(しんせき) 洗米機で米を洗う様子 「洗米」には2つの目的があります。1つめは、精米時に米の周りに残された糠を洗い流し、取り除くこと。2つ目は、後から適切な水分を米に吸収させることです。洗米前の白米水分を計り、10kgずつ小分けされた米を洗い、浸漬し、重量を量り、10kgからどれだけ増えたかで、「白米吸水率」を計算します。次の工程「蒸米(蒸きょう)」で必要な水分を米に適切に吸収させるため、0.1g単位でチェックして、慎重におこなっていきます。   蒸米(蒸きょう)/ 放冷 「甑」で蒸した米を掘り外に出すの様子 蒸した米を、適正な温度に冷ますため手で均等に広げる=放冷の様子 米を蒸す作業。食べる米のように炊くのではなく、蒸気を当てて蒸します。米に必要な水分を吸わせ蒸して、米のでんぷんをα化することで、次の「麹づくり」の作業をしやすくすることと、タンク内で米が溶けやすいようにすることができます。甑を使う方法と、ベルトコンベアを使った連続式蒸米機を使用する方法があります。甑を使う場合は、昔ながらの釜を下に置くスタイルと、ボイラーからの蒸気を当てるスタイルがあります。1970年代の日本酒がたくさん売れていた時期に設備投資した酒蔵は、大量生産を目指して連続式蒸米機を採用した所も多いですが、最近設備を新しくしようとする中小規模の酒蔵では、コンパクトで場所も取らず、品質重視の少量生産に適した甑を使うスタイルが多く採用されています。   麹づくり 「麹室」の中で、麹菌を種付けするために、適正な温度に冷ますため手で均等に広げる様子 「箱製麹」の様子。麹菌を振りかけ生育する中で発生する温度を下げ、湿度を除くため手入れする 「麹室(こうじむろ)」という衛生管理をより徹底して、区切られた部屋で48時間程度かけて麹米をつくる工程です。この作業を最も大切にする蔵が多く、場合によっては酒蔵の中でも限られた人(杜氏と麹の責任者だけ、など)しか入れない、という規則を決めているところも。   1日目:蒸して、放冷した米を「麹室」に引き込み、種麹をつける「種切り」という作業をして、まんべんなく米に菌がつき、米の内部まで菌糸を生やすように、「床もみ」という混ぜる作業をします。その後は乾燥を防ぐため、布で包み、菌の生育に適した温度を維持するよう観察して待ちます。   2日目:麹同時が熱を湿度を発して、粒がくっつきあっているので「切り返し」をして、バラバラにします。この時点で最初とは異なり、米のまわりにフワフワとした菌糸を肉眼でも観察することができます。「切り返し」したら、すぐに「盛り」作業。蓋、箱、床(とこ)、自動製麹機という4種類があります。また箱は、蔵によって「大箱」「中箱」など大きさが異なります。写真では「箱製麴」をおこなっています。温度と湿度管理しやすいように、箱に8kgずつ小分けして管理していきます。目標とする酒の味わいによって異なりますが、最高温度40~43℃を維持して、この後の工程に役立つ酵素をたくさん造るように心がけます。その後「仲仕事」「仕舞仕事」をして、工程により適正な温度を保持します。   3日目:麹を麹室から出す「出麹(でこうじ)」の作業をします。その後「枯らし」といって、表面を乾燥させ、不要な微生物や菌を防ぎ、より内部に麹菌の胞子をつけるようにします。   酒母(酛)づくり 酒母タンクに麹米を投入したばかりの様子 他の工程と隔てた部屋に置かれる酒母タンク 「酒母(しゅぼ)」は、「酛(もと)」と呼ぶこともあります。大きなタンクでいきなり培養するのではなく、より確実に安定して、健全に酵母を大量に培養するための工程です。酒母はこの後の「醪」の工程と異なり、強烈な酸や苦味がある液体になる。まだデータ分析できない時代、五感を使い味見をして管理していた酒母責任者(酛屋もとや)は、強い酸によって歯が溶けていた、という話もよく耳にします。この工程を丁寧におこなうことでより健全な「醪」ができるため、「酒母室(しゅぼしつ)」といって独立した部屋で温度設定して、衛生状態を保ち、乾燥させて管理することが多いです。「酒母」の段階で、酵母を添加します。(酵母を添加しない方法もあります)普通速醸酛、中温速醸酛、高温糖化酛、生酛、山廃酛、菩提酛など、酒蔵の方向性やその酒の種類によって、酒母の作り方を変え、最も適したやり方を採用しています。   もろみ(仕込み) 掛米を投入しながら、均一に発行するよう櫂入れする様子 「酒母」の次は、大きなタンクに「酒母」と蒸した米(掛米)と水を投入する作業「醪」の「仕込み」です。日本酒は、冒頭で述べた通り大変複雑な発酵経過をたどるお酒。醪のなかでは、「蒸米の糖化」と「酵母が糖を食べて消費するアルコール発酵」が同時におこなわれています。そのため一つずつの工程を失敗することなく、順調に進めるため、先人たちが生みだしのが「三段仕込み」。「初添え(はつぞえ)」「踊り(休ませる)」「仲添え」「留添え」という三段階を経ることによって、温度管理がしやすく、雑菌の侵入を防ぎ、そのタイミングで必要な酵母の働きをコントロールしやすくなります。ステンレスやホーローのタンクを使用することが多いですが、江戸時代の酒づくりを復古するため、または味わいに特徴をつけるため、木樽を使用することもあります。   上槽(じょうそう)・搾り 自動圧搾機、通称「ヤブタ」 上槽した後に残った酒粕 目標とする酒の状態になった「醪」を搾り、日本酒と酒粕に分ける作業です。・槽(ふね)・自動圧搾機・袋搾りと3種類の方法があります。一番多いのは「自動圧搾機」。「袋搾り」は、少しずつ袋に詰め、棒に紐で括り付けて、ぽたぽたと垂れる雫だけを集める方法で、大変手間がかかります。そのため大吟醸や純米大吟醸などの高級酒や鑑評会出品酒などだけに採用するのが、ほとんどです。「雫取り」「雫搾り」「袋吊り」「雫酒」などさまざまな呼び方があります。   濾過(ろか) 「ろ過」の目的はいくつかあります。 1つ目:「火落ち菌」などの日本酒の大敵となる一般細菌が瓶内に混入するのを取り除くため。 2つ目:味わいを整えるため。 3つ目:は色を取り除くため。 搾りたての日本酒は、透明ではなく、若草色や黄金色のようなやや黄色みがかっているのが普通です。しかしかつては着色が嫌われて、わざわざ活性炭素を使って、「ろ過」をして、無色透明にする作業が一般的におこなわれていました。この作業をすると透明になり、さらに日本酒の欠点となる味わいも軽減されます。しかし同時に日本酒の旨みも多く除かれてしまいます。そのため近年では活性炭素を使った「ろ過」作業をしない「無濾過」の状態で出荷する酒蔵も増えています。また「ろ過」の選択肢も増えており、風味は残して微生物を除去する細かい目のフィルターやSFフィルターなども存在します。日本酒のろ過のみならず、仕込水、割水のろ過に使用されることもあります。   火入れ プレートヒーターで火入れ作業をする様子。 「火入れ」作業は、酒に残った酵素の働きを止め、、「火落ち菌」などの日本酒の大敵となる一般細菌を死滅させるためにおこなう。従来「火入れ」は、搾った後と、出荷前の2回おこなわれるのが一般的でした。近年では「火入れ」をしない「生酒(なまざけ)」での流通も増えましたが、貯蔵時や運送時、または店頭に並べられてから成分変化してしまうリスクを抱えています。そのため瓶詰めして、取り扱いを熟知した酒販店のみへ限定流通し、すぐに売り切る、というスタイルが採られています。また1回だけ「火入れ」する「生貯蔵酒」も増えており、記載がない場合でも1回のみというケースも多くなりました。   「火入れ」の方法はいくつかあります。熱湯を張ったタンクに蛇菅を入れて酒を通す「蛇管式」、蒸気やお湯が流れるプレートに酒が通るプレートを接して熱する「プレートヒーター式」、瓶詰めしてから温水のシャワーをかける「パストライザー」、瓶詰めしてから手作業で湯煎してから冷水につけて冷やす「瓶燗火入れ」など、さまざまなやり方があります。いずれも何度の温度で、どのくらいの時間火入れするのか?どのタイミングでするのかは、極めて重要で、酒蔵の知見や技術によるところが大きいのです。   瓶詰め 全自動の機械を使い、非接触で衛生状態を保ちながら瓶詰めされる様子 できあがったお酒を瓶に詰める作業です。酒蔵の規模によって全自動の場合と、手動の簡易的な機械を使った手詰めの場合があります。いずれも必ず目視で異物混入がないか確認します。   貯蔵 清潔な酒蔵のなかに貯蔵タンクが並ぶ様子(賀茂鶴酒造) かつて日本酒は、できあがった後に一定期間(およそ半年ほど)貯蔵して、味わいを熟成させ、出荷するのが一般的でした。現在では造ってすぐ出荷し、すぐ飲んでもらう、というスタイルが増えましたが、できたての日本酒はフレッシュでピチピチしている反面荒々しい角が立つ味わいが特徴的です。現在でも計画的に貯蔵をして、出荷される日本酒もたくさんあります。タンクの中に入れて貯蔵する方法と、瓶詰めしてから貯蔵する方法があります。 昔使われていた木樽(丹波杜氏酒造記念館) ステンレスやホーローのタンクを使用することが多いですが、江戸時代の酒づくりを復古するため、または香りをつけたり、味わいに複雑性を持たせるため、木樽を使用することもあります。   まとめ   各工程が簡単に見てもらいました。日本酒づくりはどの工程が少し違っても、まったく違う味わいになります。酒蔵によって酒づくりに対する考え方や目標とする酒の味わいが異なるため、使う機械、酵母、道具、時間や温度など、細かい部分は違いますが、流れはだいたい一緒です。

日本人と日本酒との関係

日本人と日本酒との関係

日本人の生活に深く根付いている日本酒 日本酒が他のお酒と違うのは、昔から冠婚葬祭や神事など日本人の行事に深く関わってきただけでなく、現在でも変わらず慣習のなかに日本酒が存在している点です。日本人の多くは自らを無宗教だと思っていますが、知らず知らずのうちに「神道」の精神と、「仏教」の感覚が浸透しています。「お天道様(太陽)が見ているから悪いことはできないよ」と小さい頃から、親に叱られたり、自然やあらゆる物を神とする、という感覚が根付いています。多くの日本人は、それを「宗教」だとは思っていません。伝統や習慣に近い感覚です。そんな日本人の生活に「日本酒」は、欠かせない存在です。稲は、古代神話に登場する最も重要な神から授かった神聖な植物とされ、この稲からなる米を発酵してつくられる日本酒は、神様へ捧げる特別な飲み物とされてきました。 どんな場面で日本酒が出てくるのか、見ていきましょう! 結婚式 結婚式や会社の開業、店の開店、新幹線の開通などお祝いの場で「鏡開き」をします。酒蔵で、酒樽の上蓋のことを鏡と呼んでいたことに由来します。新たな出発に際して健康や幸福などを祈願し、その成就を願う意味が込められています。神前の結婚式のときにも、「三々九度(さんさんくど)」という新郎新婦がお酒を酌み交わす儀式をおこないます。現在過去未来を表す大きさの違う三つの杯を使って、三回で注ぎ三回で飲み、新郎新婦合わせて合計九回神酒を飲むというもの。それぞれの数は奇数で、2で割り切れないことから、結婚する2人の固い絆を結び一生苦楽を共にする、という誓いを意味しているそうです。 葬儀 日本では故人を火葬する葬儀の前夜に、夜通し灯りを消さずに、ご遺体を見守る「通夜」という儀式があります。親族や親しい友人などゆかりの深い人々が集まって、故人の冥福を祈り、別れを惜しみます。遺族は夜通し灯明と線香の火を絶やさないようにします。そこでも故人の家族からてなされるのが「日本酒」です。もちろん御礼の意味も兼ねているため、現代の嗜好にあわせてビールやウイスキーなども揃えられますが、「日本酒」であることにはちゃんと大切な意味があります。 700年代に書かれた書物でも、現代に通じる記録が残されています。   殯(もがり)と言って、人が亡くなってもすぐに埋葬せず、小屋のようなものを作って、死者が骨化するまでの1~3年もの間遺体を安置しました。その間、死者の霊を慰めるため食事を供え、死者の霊を呼び戻すために小屋のかたわらで酒を飲み歌ったり踊ったり宴会が行われていました。当時、死者の霊は災厄をもたらすと信じられていて、災厄から逃れるために魂が亡骸から離れていくのを防ぐ、あるいは死者の魂を呼び戻すためだったといわれています。 日本では米が生命力の源泉と考えられていて、米から作る酒には死がもたらす災いを遠ざけるとされてきました。とくに葬送儀礼では、生命の源である米や米からつくられた日本酒を取り込めば、災難を遠ざけると思われていました。 地鎮祭 地鎮祭と日本酒 家を建てる前には「地鎮祭」といって、土地の神様に「無事家が建ちますように」「家が建った後も家族を守ってくれますように」と祈りを込める儀式がおこなわれます。祭壇にはしめ縄、榊が施され、米、日本酒、塩、水などが供えられると決められています。 祭り 日本酒と祭り 祭りは稲を植える前には、五穀豊穣を祈り、収穫後には感謝を込めて神を山に送る、という儀式が祭りの原型でした。この稲からなる米を発酵してつくられる日本酒は、神様へ捧げる特別な飲み物なのです。神に供えた後は人々が飲みますが、日本酒を飲むと酔います。かつて科学が解明されていない時代には「酔う」という現象が理解できないものでした。いつもおとなしいひとが陽気になったり、おかしなことを言い始めたり、記憶がなくなったり・・・。そのため昔の人たちは、酔っている人を神と近付いている状態だと理解したのです。それから同じ甕や盃の酒を仲間とともに飲むことで、一体感を高めていました。現在でも祭りには、その地域の日本酒がふるまわれ、みんなで飲み交わすことが多いです。 初詣 初詣と日本酒 初詣や厄除けなどで神社に訪れた際にいただくこと日本酒は、御神酒(おみき)と呼ばれます。御神酒は、神様にお供えする日本酒のことで、神社や神棚にお供えする神饌(しんせん)のひとつです。神饌とは、神前に供えるお酒や食べ物の総称で、お餅や魚、野菜や塩などがあり、大変神聖なものとされています。大昔は神社や氏子(地域の住人で、その土地の神社にいる氏神様におまつりをする人)が御神酒を造っていましたが、現在は酒税法によって免許がなければ酒づくりができないため、地域の酒蔵がつくった日本酒が奉納されます。ただし伊勢神宮や大神神社など一部の神社や神宮は清酒醸造免許を持っているため、今でも自分たちで御神酒を造って、供えています。御神酒を飲むときには、マナーがあります。地域により異なるマナーがある場合もあります。神社の人の言うことをよく聞き、正しく守りましょう。 正月 お正月と日本酒 正月には「屠蘇(とそ)」というものを飲みます。もとは中国から伝わった文化で、一年間の疾病を払い、長寿を願うものとされてきました。山椒・細辛・防風・肉桂・乾姜・白朮・桔梗の薬を合わせた屠蘇散がつくられ、それらを日本酒や味醂(みりん)に浸し置いてから、正月に飲みます。「一人これを飲めば一家疾なく、一家これを飲めば一里病なし」と言われていました。スパイスの内容を見ても、正月の疲れた胃腸に優しい内容になっており、実用的です。現在では一般家庭で、正式な屠蘇と作り飲む人は減りましたが、ドラッグストアなどで「屠蘇散」が売っているのでそれを使って飲む人や、簡略化して日本酒をそのまま飲む人もいます。 店頭に並ぶ日本酒 それから日本全国にはたくさんの地域に根差した日本酒が存在します。そこで、風習とは別に実家に帰省する際に、今住む場所の日本酒をお土産に買って帰ったり、親戚宅への手土産にする、逆に地元に帰ってくる我が子や孫、甥、姪のためにおもてなしの日本酒を用意しておくことも多いものです。古くからの文化のなごりとプレゼントが融合して、年末年始に日本酒を飲む人は多いのです。 まとめ 日本酒と日本人との強い結びつきは、稲作がはじまり、酒をつくるようになってから現代に至るまで長い歴史があります。年々なくなっていく文化もありますが、今もまだ生活に深く根付き、いろいろなところで日本酒は大切にされ、他のお酒とは別格の扱いをされています。物事のすべてに意味があり、科学で解明され説明ができる、と考えると、人は傲慢になり、他人を責めやすくなり、お互いすこし窮屈な思いをします。万物に神様が宿り大切にしなければならない、と思う時、事象の前で人はみんな平等になります。日本人の思想は、優しい気持ちで日々を生活するための知恵だったのかもしれません。そんな名残ともいえる、日本酒にまつわる文化。これからも大切にしていきたいものです。

そもそも日本酒ってなに?

そもそも日本酒ってなに?

日本酒は、古くから日本に伝わる伝統的なお酒です。「おちょこ」と呼ばれる、小さなショットグラスに似た形状の器で飲むことも多いので、よく海外の人からウォッカやジンのようなハードリカーと勘違いされることもありますが、ワインやビールと同じ醸造酒で、アルコールは13~17%程度。料理と一緒に、少しずつゆっくり飲むべきお酒です。 世界で最も複雑な製造工程を辿る酒・日本酒 日本の主食である米と水だけを使ってつくったお酒「日本酒」は、世界で最も複雑な製造工程を辿る酒、ともいわれ、他に例を見ない「並行複発酵」という造り方をします。アルコール発酵をするためには、糖分を必要とします。果実は放置しておけば、空気中の酵母が付着してアルコール発酵しますが、日本酒の原料である米には糖ではなくデンプンの形で含まれているので、一度糖化してから、アルコール発酵をしなければなりません。この2つの工程が同じ液中でおこなわれるのは、世界中で「日本酒」だけです。7~8世紀には米を噛み(デンプンをブドウ糖に変える)、壺の中に入れ集めて、空気中の酵母が付着してアルコール発酵する「口嚼の酒(くちかみのさけ)」というものがありました。 科学が解明されていない時代の日本において、複雑で繊細なバランスで醸造される「並行複発酵」が開発されたのは、当時の人々が繰り返し試行錯誤した証です。日本人が持つ勤勉で几帳面な研究熱心さの賜物でした。同時にそれだけ熱心にお酒を飲みたかった、ということでもあるかも?! 世界中の醸造家が憧れる製造工程を経てつくられる日本酒は、日本の宝なのです。神秘的な日本酒について、ご紹介します! 法律のこと わたしたちが普段「日本酒」と呼んでいるお酒は、日本の国税庁が定めた酒税法のなかでは、ほぼ同意で「清酒」と言います。清酒は、以下のように定義されています。 米、米こうじ及び水を原料として発酵させて、こしたもの(アルコール22度未満) 米、水、清酒かす、米こうじその他政令で定める物品を原料として発酵させて、こしたもの(アルコール22度未満) 清酒に清酒かすを加えて、こしたもの 日本産以外は「日本酒」と呼べない? 「日本酒」は日本の農林水産省が定める地理的表示(GI)保護制度で、原料の米に日本産米を用い、日本国内で醸造したもののみを指します。日本全域には、伝統的な生産方法や気候・風土・土壌などの生産地等の特徴が、品質等の特性に結びついている産品が多く存在しています。これらの産品の名称(地理的表示)を知的財産として登録し、保護する制度が「地理的表示保護制度」です。 現在では日本以外多くの国で清酒がつくられていますが、日本の法律では「日本酒」と呼ばず、一般的に「Sake」と総称しています。あまり聞いたことないですが、たとえば日本国内の醸造所でアメリカ産の米を使い酒を作った場合も、「日本酒」と表記することができません。 日本酒の種類 日本の酒税法で清酒(日本酒)には、酒税法上の区分として「普通酒」と「特定名称酒」の2つがあります。米、米麹以外に、政令で定める物品(酸味料や糖類など)が入っているもの、または精米歩合71%以上で醸造アルコールが添加されているものが「普通酒」。それ以外の「特定名称酒」は、さらに大きく6種類に分類されます。 基準となる「精米歩合」とは、玄米を100%とした時、精米後残された米の割合。「精米歩合70%」は、30%を削って糠にし、70%残っている状態のことを指します。削るほど、米の外側に含まれているたんぱく質がなくなり、できあがりの酒の雑味がなくなります。また削れば削るほど、原料米の量を必要とするため商品価格にも反映され、高価になります。 純米酒(特別純米酒):米と米麹だけ使用してつくっており、精米歩合が71%以下 純米吟醸酒:米と米麹だけ使用してつくっており、精米歩合60%以下 吟醸酒:精米歩合60%以下で、醸造アルコールが加えられたもの 純米大吟醸酒:米と米麹だけ使用してつくっており、精米歩合50%以下 大吟醸酒:精米歩合50%以下で、醸造アルコールが加えられたもの 本醸造酒:精米歩合70%以下で、醸造アルコールが加えられたもの ※醸造アルコールは廃蜜糖(サトウキビやテンサイ汁を濃縮した製糖原料から砂糖を繰り返して結晶させ、取り出した残りの液)からできた純粋なアルコールのこと。ブドウ糖、果糖などを主成分とし、アルコール工業や菓子の原料などにも広く用いられています。 ※「特定名称酒」の味わいや特長などは、別の記事で詳しく説明します。 日本人の風習と日本酒 日本酒が他のお酒と違うのは、昔から冠婚葬祭や神事など日本人の行事に深く関わってきただけでなく、現在でも変わらず慣習のなかに日本酒が存在している点です。日本人の生活には、あらゆるものを神とする「神道」の精神が浸透しています。ですが多くの日本人は、それを「宗教」だとは思っていません。伝統や習慣に近い感覚です。 たとえば家を建てる前には「地鎮祭」といって、土地の神様に「無事家が建ちますように」「家が建った後も家族を守ってくれますように」と祈りを込める儀式がおこなわれます。そういった儀式の際には、必ず日本酒が供えられます。酒蔵は、地域の神社などに酒樽を毎年奉納し、神様に捧げます。祭りで神輿を担ぐ人も日本酒を飲みます。新年に神社へ初詣に行くと、日本酒が振舞われます。日本酒は「飲む人を清める」「神様と繋がることができる」といった、宗教的感覚を持っているのです。 神前の結婚式のときにも、「三々九度(さんさんくど)」という新郎新婦がお酒を酌み交わす儀式をおこないます。現在過去未来を表す大きさの違う三つの杯を使って、三回で注ぎ三回で飲み、新郎新婦合わせて合計九回神酒を飲むというもの。それぞれの数は奇数で、2で割り切れないことから、結婚する2人の固い絆を結び一生苦楽を共にする、という誓いを意味しているそうです。 まとめ 奇跡の大発見ともいえる、難しい作り方をする「日本酒」。実は若者や下戸など日本酒を飲む習慣がない人であっても、日本での生活は「日本酒」と深い繋がりがあります。日本には1000を超える日本酒の醸造所(酒蔵)がありますが、そのほとんどが100年以上の歴史を持ちます。日本酒は嗜好品でもあり、文化的必需品でもあります。

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